たとえば、パソコンの調子が悪いときには、パソコン操作に自信のある人に助力を頼む。英語の文書に理解できない部分があれば、英語力を自負している人に翻訳を依頼する。ほとんどの場合、「この人は、私のことをわかってくれている」と、あなたへの好感度を上げてくれるでしょう。
たとえば、パソコンの調子が悪いときには、パソコン操作に自信のある人に助力を頼む。英語の文書に理解できない部分があれば、英語力を自負している人に翻訳を依頼する。ほとんどの場合、「この人は、私のことをわかってくれている」と、あなたへの好感度を上げてくれるでしょう。
もし、その力関係を無視した言動をすれば、そこにコンフリクト(衝突・葛藤)が発生することになるはずです。
会社は、人の集まりです。そして、人が集まれば、そこには政治が生まれます。政治そのものは「善」でも「悪」でもない。それは「必要悪」ではなく、人間が生きていくうえで必ず遭遇する「現実」だと思うのです。
まず、人に与えよ。 しかし、善人にはなるな。 これが、社内政治の鉄則です。
会社には、常にこうした利害関係が存在しており、それぞれの主張は、その立場においては「正論」であることが多いものです。それだけに、利害調整は難しい。理屈だけで説き伏せることは、不可能だと考えたほうがいい。
「褒めるが8割、叱るが2割」などと言われますが、重要なのは「褒めるか叱るか」ではなく、相手のことを「ちゃんと見ているかどうか」なのです。
周囲の信頼を勝ち得ていない人に影響力はありません。
いきなり「過大な価値」を相手に提供するのは、決して好ましいことではありません。はじめは「小さな価値」を提供することから始めて、お互いに「返報性の原理」を働かせながら、少しずつ「大きな価値」も提供するようにしていくのが賢明でしょう。
誰に対しても好意をもって接することと、誰に対しても調子を合わせることは、似て非なるもの
影響力とは、社会心理学者のロバート・B・チャルディーニが『影響力の武器』(社会行動研究会訳、誠信書房)のなかで「他人から『イエス』を引き出す能力」と書いているように、自分のめざす方向へと相手に自発的に動いてもらうように促す力です。