正規の僧というのは、律令以来、国家がその資格を認定し、国家が扶持する得度者をいう。
沙羅双樹はインドではごくありふれた森林植物だが、釈迦がクシナガラで入滅したとき、その寝床の四隅にこの木が枝葉をしげらせていたために、仏教ではこの木を尊ぶ。ただし日本では沙羅双樹の木がないために、古来、寺々ではナツツバキを代用として植え、それをもって沙羅双樹とよんできた。
作法は複雑である。しかし原形は、インドで密教が成立した七、八世紀ごろのむこうの日常作法であるらしい。 七、八世紀ごろのインドの日常習慣や作法が、当のインドではとっくの昔にほろび、日本の高野山の森の中でいきいきと遺っているというのはふしぎなような気もする。
真言というのは呪文というよりも、宇宙との交信用のことばと解するほうがいい。